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にっきっぽい。
Posted by - 2017.12.17,Sun
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Posted by このはら柚子 - 2010.02.25,Thu

これまたようやく観に行って来たので感想。
原作は「~憂鬱」がすっきり纏まっているっていうか、ぶっちゃけハルヒの物語自体が1冊目の時点ですっきり纏まっているように感じてしまったので実質続刊未読。よって本編の原作ノベルも未読。アニメの方は見てるけど。

さておきいざ本編。それこそバンド編成の楽器演奏のような下りこそ無いものの、映像表現的にはこれぞまさに京アニの集大成と呼ぶことを躊躇わせないほどの突き抜けっぷりで、その冴えっぷりたるや観ている最中にある種の酔いを覚えてしまうほど。
それほどに瑞々しく描き込まれた人物のさりげない所作、細密極まりない情景の数々、それら全てがこれでもかってほどに丹念に作り込まれ、折り重ねられる様は、まさに世界を一つ現出せしめるかの如きでいちいち唸るしかない円熟っぷりが伺えてよし。

とはいえ、それほどの美麗なシーンが続きはしても、3時間に及ぶ長尺の半ばを過ぎていくらかの辺りまで物語に大きな動きはなく、伴って比較的静かな、言ってしまえば淡々とした場面が主人公のキョンのモノローグと共にひたすら続く(つかもうほんと杉田智和喋りっぱなしなので好きな人は絶頂たまらんはず)ので、敢えて言うならその辺りが難点と言えば難点かも。
自分も正直ダレを感じない訳ではなかったし、よって時折襲う睡魔の介在も否定出来ず……とはいえ、これについては当日自分の体調が思いがけず芳しくなかったことも作用してたように思うので、印象にいくらかバイアスが掛かっているだろうことをひとまず付記。

ただ在る程度を過ぎて、文字通り状況が核心へと向かうべく大きくうねり始める辺りからは、先述の凝りに凝った映像表現っぷりも相まってまさに目が覚めるほどの引き込まれっぷり。
かくあるべしと求められたままに猫被りに徹していた朝倉が俄に本性の片鱗を覗かせる瞬間しかり、押し潰されて割れた窓辺からキョンが空中に放り出されるシーンしかり、キョン×キョンなクライマックスしかり、そして雪が舞い落ちる屋上でキョンが長門と向き合う1シーンしかり、ここでも先述の京アニクオリティはまさに大炸裂と言った感じでいやもう魅せてくれるのなんのって。

但しそういう映像的な見応えを以てしても……否、存分に見応えあるものだったからこそ作品そのものというか、エピソード全体に対する印象については非常に複雑なものだったと言わざるを得なかったりも。
とどのつまり今回の劇場版のエピソードっていうのは、長門という本来なら脇役に徹するべくその役所を用意された少女が、本来のヒロインであるところのハルヒのみが扱うことを許された全能の力を盗みとり、自らの想いを旨に再構築を果たした世界の是非を主人公・キョンに求めるっていうもので、更に言えば世界丸ごとに併せて天秤に掛ける形で差し出した自らの恋心を、それを元に彼女自身が創り出したif世界諸共打ち砕くことが出来る鍵をも予め自ら用意した上で、思い人たるキョンに最終的な選択を委ね、その判断を甘んじて受け入れる……言うなれば「相当思いきった手を打って自ら立てたフラグを恋する相手にわざわざへし折って貰うまでを描いたエピソード」な訳で、なんというか諸々の作りが繊細極まりない分その切なさもひとしおどころで済まないっていうか。

のみならず、自我に目覚め恋心を抱くまでになった長門自身に対して、キョンは彼女のそういう変化を一種の成長と認めてそれを歓ばしいことだと表明し、にも関わらず結局の所は本来の世界=ハルヒの方を選択するっていう結末もまた切なくて、同時に歯がゆい。
ていうか終盤のキョンの言動にはそれこそ部分的に矛盾と取れるほどのある種の優柔不断っぷりすらも伺えてしまう訳で、これが観ていてどうにもヤキモキさせられるというか見終えた後もモヤモヤを残してくれるというか。

でもって止めとばかりに長門自ら歌うアカペラのエンディングテーマがまたズルくて、その詞たるや例によって劇中ではほとんど言葉を発することのない長門自身のまさにその思いを吐露するようなものだから、これがどうにも破壊力満天。いやもう滲みるのなんのって。

とまぁそんな感じで極めてクオリティは高くて見応えもあるし、でもだからこそ扱われている内容とその落とし所に身悶えせざるを得ないっていうのがおおよその感想。
確かに大きな事態を収める為に犠牲は付き物っていう筋立て自体は極めてSF的ではあるし、元より作者の趣向としてアニメシリーズを追いかけている中でも度々伺えるそういう傾向自体は理解出来るし、その辺りを思えばこの度の纏めも実にらしいと言えばらしいのだけれど、とはいえその犠牲が長門っていう少女がようやく発露に至った恋心とそこから導き出された可能世界丸ごとそのものっていう辺りが心憎いというか、それ故にある種作者の悪意的な魂胆すらそこに見出してしまいそうっていうか。

とはいえ救いめいたものが一切無いという訳でもなくて、それっていうのはエンドロール後にささやかに添えられたエピローグパートがそれに該当するんじゃないかと率直に。
全てがリセットされ本来あるべき世界とは完全に切り離されたifの並行世界で、カードを作って貰うことすらキョンとは出会うことすら無いまま独り図書館に佇む長門の目の前で、まるで彼女の望みを肩代わりするかのようにどこかの幼い少女が同じくどこかの少年の手でそれを果たして貰える……って何か既視感があるなと思ったらこれ、京アニ繋がり、更に言えば監督及び脚本繋がりでAIRのラストシーンのオマージュめいたものがあるよなぁと漠然と。
いやまぁこの描写自体は元より原作にもあるものだとしたら、その連想というか結びつけ自体が無理かつ無意味なものになってしまう訳だけれど。

ちなみにif世界の長門の、情報統合思念体の遣わした生体端末ではなく、只のひとりの女の子としての彼女の振るまいに覗く繊細さや儚さがどれほどに素晴らしかったかについてはひとまず全面的に割愛。際限なくなりそうだし、なによりそこを微細に挙げ並べても流石に野暮になりそうだし。
ああでもそこからのこぼれ話的にちょっとだけ最後に付記。
ミトンにおでん鍋で終いには百合ヤンデレ化してる朝倉さん素晴らし過ぎ。あとハルヒはあっちの方が好きかも。制服とか。ああでも戻ってからのイモムシモードの辺りの動きとかもさりげにツボ。

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